戸惑いもありましたけど、夫婦のありかたもよくなったと思います。人間どうしても“私はこう思ってるんだから、あなたもこう思ってよ”って他人に強制させたがる気持ちがあると思うんですよ。近しいととくに。

 でもひーくんは2才の時から全然普通の子じゃなくて、私が産んだけど、私が今まで30年以上思っている固定観念が全く通用しない(笑い)。

 家族って一緒に住んでいるけど、みんな単体だなっていうことがすごく勉強になったんです。だから、弟たち、みーちゃん(水葵くん)のことも、はーちゃん(葉月くん)のことも、子供と親という関係よりも、大人同士が話すように、来年何してるの、再来年どうしたいのっていつも具体的に話しています。

 親ができることは全面的にする。しかし、家族だけではどうにもならない。だから他人の力を借りるというのが夫婦の共通見解だ。

 私たちの方が先に死ぬから、頼れる人には頼って行こうよっていう、ずうずうしい考えなんですよ(笑い)。

 私たちもそういうふうに生きて来たから。一生懸命やっていれば、必ず協力者が現れる。手助けしてくれる仲間ができるはずなんです。

 すっごい人任せですけど(笑い)。でも社会って、何かできることを持ち寄って、できないことを埋め合って、それでシェアして生きていければいいと思うんです。

〈決して気負いはない。

「人に任せた以上はどうなってもしょうがないっていうのがあるので。もし失敗したらまたやり直せばいいだけじゃないですか(笑い)」(開人さん)

響くんの珈琲は月替わりの1種類。ある月はガツンと濃厚で深みのある味。ある月は香り高くすっきりした味。いろいろな表情をみせる、響くんの珈琲。〉

 ひーくんにはできないことがいっぱいあります。日によって、環境によって、体調によってできない度合も変わります。でも、あらかじめ障がいのことをわかっていれば、問題なく暮らしていける。どういうふうに考えてるの、見えてるのって、彼の世界を面白がれる社会になったらいいなって思うんです。

※女性セブン2017年10月19日号

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