ライフ

インスタ映えを過剰に意識したある読者モデルの末路

 このような「過剰演出」は、読者モデルよりも自意識の高い、歌手、芸能人になればなおさらだ。某歌姫、人気ハーフタレントのそれぞれのインスタグラムには「背景に写り込んだものが不自然に伸びている」本人の写真がアップされ、一部で話題にもなった。かわいい、きれいと言ったファンからの書き込みに混じって、彼女たちのたゆまぬ努力(?)を揶揄するような書き込みも散見される。

 そして10月1日、フランスでは「モデルの体型を加工した商業写真」には”修正写真”と印づけることを義務付ける法律が施行された。違反した場合には最大3万7500ユーロ(約500万円)の罰金が科される。先立つ5月には痩せすぎモデルの起用が禁止され、ディオールやグッチなどのブランドが痩せすぎモデルの起用をしないと宣言したというから「過剰演出」の現象が世界中に蔓延し、問題になっていることが判るだろう。フランスでは、あまりに現実離れしたモデルを意識するがあまり、無理なダイエットなどで時には死に至るティーンエイジャーが増加しているとのこと。

 日本ではここまでの事態には陥っていない。だが、様々な弊害はすでに出始めている。前述の現役読者モデル・マユミさんは、特にA子の例を挙げ、警鐘を鳴らす。

「自分の加工だけなら何も言いません。でもA子は最近、自分の子供の写真まで加工するようになりました。あれじゃ、子供が学校で”お前、写真と全然違うな”といじめられるかもしれない。さらにA子は、自分のスタイルは良く見せるくせに、一緒に写ったモデル仲間を太くしたり”自分より劣っている”ように見せるようにもなりだした。もはやA子の写真に写りたいという読モはいませんが、今にトラブルが起きますよ」

 A子やB美を見ていると、ネットは気持ち悪いオタクたちが「現実逃避」のためにのめり込む電脳世界、仮想空間だと揶揄された時代のことを思い出す。自意識の高さが故に、過剰に演出された自画像をも本当だと思い込み、理想と現実がごちゃまぜなって、もはや逆転すらしているようにも見える。自分だけで完結していれば、イタい人というだけで終わるが、他人を貶めることを手段として利用し始めるとやっかいだ。自意識過剰も結構だが、他人に迷惑をかけるようになってはオシマイだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン