そんなある日、義母が家の中で動けなくなった。どうも脱水が原因のようだった。
「とにかく立てない、歩けない。夫と2人がかりで何とか寝室に寝かせたのですが、その夜が大変でした。ひと晩中、トイレと寝室を行ったり来たり。私が手を貸さないと行けないのに遠慮して呼ばず、かえって気になって何度も部屋を見に行くと、ベッドから落ちて立ち上がれず、床でグルグル回っていたりするんです。朝には2人ともげっそり…。
『ばあさん、このままじゃ2人とも寝られない。お願いだから紙おむつを使って』と思わず言うと「うん」と即答。その日から紙おむつをつけ始め、昼も安心、夜もぐっすり眠れるようになったようで、体調も順調に回復しました」
おむつを使うことで、本人も介護者も楽になることは確かだ。ただ、親のプライドや子のせつなさなど、“その時”の葛藤は計り知れない。
「いや~、でもそんなこと言っていられないですよ。ウチの場合はもう命がけバトルの末にという感じだった。きっとみんなそうじゃないかな。それでいいんじゃないかな」
※女性セブン2017年10月26日号