ビジネス

インスタで増殖する「謎コメ」 いいね!の数も上回るカラクリ

インスタの風景写真に謎コメントが

 画像共有SNSのInstagram(インスタグラム)には最近、ある不自然な現象が起きている。投稿内容とは直接関係がない、特定の化粧品やサプリメントなどを推奨するコメントがつく現象だ。ライターの森鷹久氏が、その謎コメントがつくカラクリを探った。

 * * *
 パーティのためにドレスアップしたあるモデルの自撮り写真がインスタグラム、通称インスタにアップされると、瞬く間にコメントがつけられる。1万人以上のフォロワーがいる彼女の投稿へのコメントは、大半がファンによる「キレイ!」「かわいい!」といったものだが、そのなかに投稿やコメントの文脈と、まったくかみ合わない文章がいくつも見える。

「●●もらったらセルライトが消えたよ」
「ダイエットしなくても、●●のおかげで細くなった」
「友だちがくれた●●で白くなった」

 といったような内容だ。いったいなぜ、こんな脈絡のないコメントがつくのか。某女性モデルのマネージャーであるA氏が、その理由を明かした。

「一度ステマ(=ステルスマーケティング)を依頼したモデルのインスタには、その後のなんでもない投稿にも読者のふりをして”この前●●ちゃんが紹介していた化粧品よかったよ”などと業者が書き込むんです。ある有名モデルなんかは、風景の写真をアップしただけなのに、コメント欄が関係のない美容サプリの書き込みだらけになることもありました」

 つまり、業者が”なりすましアカウント”を使って、定期的にインスタ上でのステマを支援する体制をとっているのだ。ステマをしているか否かに係わらずコメントがつくことはあるが、とA氏が続ける。

「某ママモデルのタレントのインスタなど、毎日毎日ステマ三昧で、コメントもほぼ業者だらけ。最近ではコメント数とバランスを取らすために”いいね”の数まで買っています。もはやタレントなのかどうかすらわからない、業者の操り人形(笑)。以前は化粧品だったけど、今はサプリや健康食品が主流。そのうち情報商材とかセミナーなんか紹介しちゃうんじゃないのと思っていたら、情報商材系の人間と食事してる写真が投稿され吹き出しました」

 仕組みはかつてブログ上で行われていた「ステマ」と同様だ。業者が宣伝したい商品を、モデルやタレントに無償で提供しインスタで紹介させる。さらに、どの書き込みからサイトに誘導し購入したか、ということが分かる設定になっており、売上に応じたバックマージンが用意される場合もあるという。

 商品やサービスの提供を受けながら、その旨を隠したまま宣伝をする「ステルスマーケティング」。略称の「ステマ」は2012年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど、かつては有名人ブログを中心に行われて話題になった。しかし、モラルや「やらせ」問題が発生しやすいため、運営会社によって自主規制されて沈静化したかに思われた。

 ところが今年の初夏、ステマが再びネットで話題になった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン