ライフ

働きが異なる8つの「脳番地」がある脳、発見までの道のり

医師・医学博士の加藤俊徳さんが8つの「脳番地」を解説(写真/アフロ)

 あなたの脳はオンリーワン。日々、成長し、変化し続けているので、昨日の脳には二度と会うことはできませんと言うのは、『悩まない脳の作り方』(辰巳出版)の著者で、医師・医学博士の加藤俊徳さん。脳科学を専門とし、MRIによる脳画像解析で、胎児から高齢者まで1万人以上の脳と向き合ってきた加藤さんが、脳を生涯の研究対象に選んだのは、そもそも自身の“悩み”が原因だった。

「私は子供の頃、文字を読もうとすると、なぜか絵のように見えてしまい、うまく読めず、音読もできずに人前では赤面してばかり。これが私の悩みでした。心理学の本を手当たり次第に読んでみましたが、解決方法はわかりませんでした」(加藤さん・以下同)

 そこで、医学部への進学を決意。26才で医師となり、脳科学を専門とする研究の道に進んだものの、加藤さんの悩みは晴れなかった。だが、そんなある時、自身の脳のMRIを見て驚いた。

「私の脳は、左脳の言語を読み取る部分がかなり未熟でした。そのため“言葉を読むこと”が苦手だったんです。脳を見たら、悩みの原因が明らかでした」

 研究を続けた加藤さんは、脳は場所によって働きが異なることを知り、働きごとに8つの「脳番地」を割り当てた。

「よく使う脳番地はグングン成長し、逆にあまり使わない脳番地は未熟なまま。悩みというのは、この脳の未熟な部分から生まれています。つまり、脳の弱点をトレーニングすれば、悩みの解消につながるんです」

◆脳は8つの「脳番地」に分けられる

【思考系脳番地】
 前頭葉に位置する脳の司令塔で、物事を考えたり判断を下す部分。ここが発達している人は創造力、意欲、判断力が高い。

【感情系脳番地】
 扁桃体を中心に前頭葉や頭頂葉に存在。発達している人は喜怒哀楽が豊かで、周囲の感情を読み取るのが得意。

【伝達系脳番地】
 コミュニケーションの分野を担当。会話だけでなく、手紙を書く、身振りや表情で気持ちを伝えるのが上手な人が発達。

【運動系脳番地】
 手足や口に指令を送り、体を動かす。スポーツに加え、裁縫や絵を描くなど手先が器用な人もこの部分が発達している。

【聴覚系脳番地】
 耳で聞いた情報を集約する場所。言語は聴覚系の左脳が、非言語は右脳が主に司る。聞き取る力が高い人が発達している。

【視覚系脳番地】
 後頭部に位置し、目で見た情報を集約する。周囲の変化に素早く気づくなど、見ることに長けている人は発達している。

【理解系脳番地】
 耳や目で見た情報を理解し、整理整頓する。空間認知や場の空気を読むのもこの部分。好奇心旺盛な人は発達している。

【記憶系脳番地】
 記憶を司る海馬周辺に広がり、右脳が映像、左脳が言語を主に記憶する。この部分が発達している人は、記憶力がよい。

※女性セブン2017年11月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン