スポーツ

阪神園芸部長 「泥だらけの甲子園」を涼しい顔で振り返る

甲子園施設部長・金沢健児氏(撮影:杉原照夫)

 前代未聞の“泥試合”となった阪神vsDeNAのCSファーストステージ。甲子園のグラウンド整備を担った「阪神園芸」に注目が集まった。彼らの“万全の備え”がなければ、CSの結果は違うものになっていたかもしれない──。

「甲子園のグラウンドづくりは、毎年1月から始まっています。まずは地中30cmまで土を掘り起こし、雨が適量降るのを待つ。ベストの水加減になるタイミングを見計らって土を固めていきます。その後、毎日の作業によって水はけの良いグラウンドに仕上げていくわけですが、年によって気温や雨量は違うのでマニュアルはない。すべて経験と勘で判断していきます。一人前になるには、10年はかかりますよ」

 阪神園芸の甲子園施設部長・金沢健児氏の証言だ。10月15日の阪神vsDeNAのCS第2戦、同17日の第3戦は、「職人揃いの阪神園芸が整備してきた甲子園だったから、なんとか開催できた」(球団関係者)といわれる異常事態のなか行なわれた。

 雨が降り続く中、1時間遅れでプレイボールとなった第2戦。1回終了時には内野が泥田のような状態に。予備日が1日しかないCSならではの“強行開催”に、金沢部長も「今まで記憶にないくらいの悪コンディションだった」と振り返る。

 攻守交代のたびに内野に砂を撒き、マウンド上にはメジャーで使われる速乾性の土である「クイックドライ」が導入された。内野ゴロは打球が止まり、選手たちは泥だらけになったが、なんとか9回まで試合を続けることができた。

「阪神園芸の技がなければ、試合成立の5回までもたなかっただろう」(前出の球団関係者)とも讃えられた。

 翌16日に予定された第3戦は雨が止まず中止。予備日がなくなった17日も、昼過ぎまでは雨……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン