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検査はイヤ… だが認知症と診断されると多くの人が症状改善

認知症は放置すれば悪化の一途(写真/アフロ)

 親の高齢化に伴って気になってくるのが認知症のリスク。せやクリニック副院長神経内科・認知症専門医川口千佳子さんはこう語る。

「認知症は、今のところ、根治の方法は見つかっていません。でもここ数年の間にも認知症研究は急速に躍進。発症予防や進行を遅らせる方法がいろいろと見出され、かつて認知症発症から10年といわれた余命も、進行が緩やかになり伸びているといわれます。

●運動(1日5000歩目安)、●食事管理(魚介類、野菜、オリーブオイルなどの良質な油をバランスよく摂る日本食、地中海食など)、●勉強(本を読む、日記をつける、新しいことに挑戦する、人と会話するなど脳を使う)などをし、また認知症の因子となる中年期の肥満をはじめ、糖尿病、高血圧、動脈硬化を防ぐことも認知症予防に効果的です」

 また認知症が疑われて受診する人に、興味深い傾向が見られるという。

「高齢者の中には、認知症=痴呆のイメージが強いのか、受診や診断に強い抵抗感を持つ人が多いようです。もの忘れなどで生活に支障が出て、多くは家族に説得されて渋々来られるのですが、いざ検査をして認知症と診断されると、ほとんどの人が診断前より症状が改善します。

 原因不明の症状に対する不安とストレスは底なしで、放置すれば悪化の一途。でも診断がつくことで現実的になり、専門家とともに改善や維持策を探せることで、少なくとも1歩は前に進めます。また高齢認知症の人の多くは、理解力が緩慢なのが幸いします。ご家族が恐れるほど大きなショックを受けることはあまりなく、診断が下った記憶も徐々に薄れてしまうことも多いようです。気になる症状があれば、ぜひ近くの専門医へ」

※女性セブン2017年11月9日号

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