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俳優・加藤剛 自分をからっぽにして“役に住んでもらう”

2017.11.03 16:00

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、役者に

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、役者になってから現在までずっと所属し続ける俳優座について、俳優座にある考え方が役者としての自分に及ぼした影響について語った言葉を紹介する。

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 離合集散の多い演劇界にあって、加藤剛は現在まで一貫して俳優座に所属し続けている。

「千田是也先生が俳優座を作られた時からの考え方でしょうけれど、ヒューマニズムに基づいた演劇表現をしているというのが、俳優座の基本にあります。それから、どんな作品でも自由にできる劇団だという気もしています。それが、僕が長く所属することのできた一番の理由ではないでしょうか。

『新劇』というくらいですから、新しい芝居をやっていこうという想いで作られた劇団だと思います。世の中の新しい考え、生活に合った考えに根ざした劇団でありたいということです。自分のために芝居をやるのではなくて、何か世の中の役に立つとか、人のためになるような仕事としての演劇でありたいというのが俳優座にはあります。

 僕もその考えに沿っています。ですから、今でもそうなのですが、どうすればお客様に、その演劇のテーマや内容をわかりやすくできるか、ということをまず第一に考えてやってきました。『わかってもらえる』ということが一番の目的なんです。

 自分たちの想いだけで演劇は成立しません。それだけでやったことはありません。劇場の中で、舞台とお客様が一つになって、一緒に一つのテーマについて考えたりしながら進んでいくのが大事です。そのためには、お客様に理解してもらうことが何より大切だということです」

《役を演じる》という行為に対し、捉え方は役者によって千差万別だ。「役になりきる」「役に入る」「役をつかむ」──。加藤剛の場合、「役に住んでもらう」という表現を使っている。

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