「当初のネームでは、夫婦の話を中心にやる予定だったんです。でも、いざ連載する頃には僕が離婚しちゃっていて。『じゃあ、漫画でも離婚した話を中心に描こう』ということで、ストーリーの土台を変えたんです」

 これまでの浅野作品と大きく違うのは内容だけでなく、キャラクターもリアルなことだ。

「『零落』のキャラクターには全てモデルがいるんです。もちろん漫画に落とし込むにあたり脚色していますし、実際とは違う部分も多いんですが。

 でもモデルがいる分、これまでの作品とは段違いに台詞作りが難しかった。ネーム作りは別格に時間がかかりました。例えば風俗嬢の子は、知り合いの夜の世界の娘がモデルなのですが、僕と連絡が取れなくなったのも現実と同じなんです。もし取れていたらストーリーも違ったかもしれませんね(笑)」

 なぜ、浅野氏はそこまで自分の生活や想いをさらけ出すのか。

「僕は、自分は青年誌作家の最後尾、アンカーだと思っているんです。自分の後ろには同じように時代を表すような青春漫画を描く人がなかなか出てこない。上手い漫画を描く人はいますが、“間違いがない”漫画なんです。

 僕は自分自身が10代のとき、青年誌の漫画を読んで育った。例えば大学生の生活とか、それに憧れて実際に体験したりして。漫画に影響されていたんです。やっぱり、僕はそういうのって必要だなと思う。それは漫画じゃなくて映画とかでもいいのかもしれないけど。自分は漫画家なので、若い人たちが自分の漫画に影響を受けてほしい。漫画なんかで人生って決まっちゃったりする──。その“罪”の片棒を担ぐのが漫画家らしい。僕はそう思うんです」

 次世代の漫画家への想いと同時に、読者に対して感じることもあるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《熱愛ツーショット》WEST.中間淳太(37)に“激バズダンスお姉さん”が向けた“恋するさわやか笑顔”「ほぼ同棲状態でもファンを気遣い時間差デート」
NEWSポストセブン
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ(右・Instagramより)
《スクープ》“夢の国のジュンタ”に熱愛発覚! WEST.中間淳太(37)が“激バズダンスお姉さん”と育む真剣交際「“第2の故郷”台湾へも旅行」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン