「SNSで読者の人の反応を見ると、すごく感動したと言ってくれる人がいます。作家を神様のように思っている人もいるようなのですが、実際はちょっと絵の描けるおっさんなんですよね(笑い)。メディアに出ているのは漫画家のかっこいい一部で、そうではない人間らしい部分もある。そのギャップを描かないのはフェアじゃない気がしているので、漫画家のリアリティも『零落』のなかで描きました」
時に「若者の代弁者」というような表現をされる浅野氏が、30代になった等身大の自分を描いた『零落』。同世代の人にとっては見過ごせない葛藤が詰まっているのかもしれない。