他にも、稀勢の里が苦戦しそうな相手が並ぶ。今年に入って黒星をつけられている御嶽海(関脇)、嘉風(同)、琴奨菊(小結)、栃煌山(前頭2)と対戦があるのは確実。なかでも厄介なのは、福岡出身の琴奨菊、大分出身の嘉風といった地元出身の力士たちだ。
「角界には“江戸の大関より故郷の三段目”という格言がある。地元力士は大声援を受けていつも以上の力を発揮する」(担当記者)
大関を陥落後、7年ぶりとなる平幕も経験した琴奨菊は2場所ぶりに三役に復帰。稀勢の里相手に通算対戦成績では35勝30敗と勝ち越している。
「東京のファンには“終わった人”かもしれないが、九州では今でも稀勢の里より人気がありますよ。大分出身の関脇・嘉風も、今年5場所すべてを勝ち越し、本気で最年長大関昇進を狙っている。地元で“嘉風杯”という子供相撲大会を主催するなどやはり人気は抜群で、大応援団が詰めかけるのは間違いない」(後援会関係者)
正代(前頭7、熊本出身)、千代丸(前頭8、鹿児島出身)といった力士も星を伸ばせば横綱との対戦の可能性がある。場所前のスポーツ紙は稀勢の里を〈完全復調の兆し〉などと持ち上げるが、難しい相撲が続きそうだ。
※週刊ポスト2017年11月24日号