ライフ

『のび太の魔界大冒険』をハッピーなパロディにしたアート作

篠原愛作『To the Bright~のび太の魔界大冒険~』(c)Ai Shinohara (c)Fujiko-Pro

「あなたのドラえもんをつくってください」とのメッセージを受け取った28組のアーティストによる新作を集めた「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」。画家の篠原愛さんによる『To the Bright~のび太の魔界大冒険~』は、カメレオンやドラゴンを参考に架空の生物「ツノクジラ」を描いたものだ。篠原さんが同作品について語る。

 * * *
 幼い頃はドラえもん柄の水色のお皿やお茶碗を使っていて、4歳頃からビデオで『のび太の魔界大冒険』の映画を観ていた記憶があります。そんな懐かしい映画の1コマを油彩で描きました。

 原作では魔界の人魚がドラえもんたちをおびき寄せてツノクジラに食わせようとするシーンがあり、その光景が子供心にとても怖かったんです。ここでは敵対するイメージを排除し、みんなで仲良く戯れているようなハッピーなパロディにしました。共存への願いを、金子みすゞの詩『明るいほうへ』を英訳した『To the Bright』のタイトルに込めています。

 色を何層も重ねられるのが油絵の持ち味です。人魚の女性的な柔肌には7~8回色を重ね、髪も繊細に塗り重ねて艶を出しました。

 お尻にタケコプターをつけて飛ぶドラえもんの姿は好きなシーン。漫画とはひと味違う、油絵ならではのタッチを感じていただけたら。この機会に初めて油絵に接する子供たちもいると思うので、キャンバスのタックス(麻布を張り留める釘)も隠さずそのままにしています。かつて私が側面を目にして「これが油絵なんだ!」と心が震えた、みずみずしい感動が伝われば幸せです。

●しのはら・あい/1984年、鹿児島県生まれ。画家。国内外の個展、グループ展に多数参加。代表作に『サンクチュアリ』(2016年)。園子温監督の著書の装画、同監督の映画『ANTIPORNO』に油彩作品が採用された。作品集に『Sanctuary』(復刊ドットコム)

◆「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」は2018年1月8日まで、森アーツセンターギャラリーで開催(東京・六本木ヒルズ)。【開館時間】10~20時(火曜は17時まで)【休館】会期中無休。

※週刊ポスト2017年11月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン