国内

「アンガーマネジメント」できていれば東名死亡事件なかった

怒りのコントロールができない人が増えている(写真/アフロ)

 怒りは敵だと思え──。こんな諺があるように、「怒り」を表に出せば、人の恨みや反感を招き、最終的には自分の身を滅ぼしかねない。だが、こんな教えは理解しつつも人は「怒る生き物」であり、時に取り返しのつかない行動を取ってしまう。東名高速夫婦死亡事故で罪のない夫婦を死に至らしめたドライバーはその典型だろう。人生を狂わせないためには「怒りのタイプ」を知ることから始めることが重要だ。

 もし彼が「アンガーマネジメント」を学んでいたら、この痛ましい事故は起きなかったかもしれない──。

 15才と11才の姉妹を残して、両親が無念の死を遂げた東名高速夫婦死亡事故。今年6月、東京への家族旅行の帰路、静岡市在住の萩山嘉久さん(享年45)は、神奈川県の中井パーキングエリアの出口をふさぐように停車していたワンボックスカーに対して注意をした。これに激昂した運転手は、萩山さん一家の車を追跡すると、進路妨害を繰り返し、追い越し車線に無理矢理停車させた。

 その直後、後方から大型トラックが一家の車に追突し、同乗していた姉妹は軽傷で済んだものの、萩山さんと妻・友香さん(享年39)は帰らぬ人となってしまった。

 事故発生から4か月後の10月11日、悪質なあおり運転で事故の原因をつくったとして、ワンボックスカーの運転手である石橋和歩被告(25才)は過失運転致死傷罪で逮捕。だが、これに対して「罪が軽すぎる」などと議論が巻き起こり、萩山さんの母も本誌の取材に対して「これは殺人事件。容疑者を厳罰に」と悲痛な思いを訴えた。

 そんな遺族感情に応えるように、10月31日、横浜地検はより刑の重い危険運転致死傷罪で石橋被告を起訴した。

 だが、遺族の悲しみは消えるわけではない。石橋被告の犯した罪は重い。彼があのとき感情をコントロールすることさえできていれば、今も萩山さん一家は幸せな日々を送っていたはずなのだから…。

 なぜ石橋被告はキレてしまったのか、怒りを抑えることができなかったのか。

◆寝不足、スマホの使いすぎで怒りやすくなる

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン