スポーツ

日馬富士殴打事件で「貴乃花クーデター第3幕」の幕開けか

角界は激震(写真:共同通信社)

 モンゴル出身の横綱・日馬富士(伊勢ヶ濱部屋)が同郷の後輩力士・貴ノ岩(貴乃花部屋)を殴打する事件が、巡業先の鳥取で起きたのは10月25日の夜。事件が表沙汰になったのは、九州場所3日目の11月14日朝だ。両者の間には秘密裏に示談交渉があったともされ、深刻化した背景には親方同士の理事選をめぐる遺恨もあるという。さらにモンゴル勢内部の「溝」も浮き彫りになった(※日本相撲協会に事件公表が遅れた経緯、示談交渉の存在について問うたが、広報部は「調査中につき取材はお断わりする」とするのみだった)。

 角界の“分断”を白日の下に晒した今回の事件が、簡単に収まるはずもない。2018年2月には2年に一度の理事選が控えている。

 2010年に日馬富士が同郷の先輩として慕っていた横綱・朝青龍が暴行事件をきっかけに引退に追い込まれた。その際には、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)が監督責任を問われ、役員待遇から2階級降格処分を受けた。今回も、伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)は理事からの降格処分は避けられないだろう。

 2016年2月の理事選では、自身の一門が持つ票だけでは理事になれない伊勢ヶ濱親方が、貴乃花グループから票を回してもらって当選した経緯がある。もしも伊勢ヶ濱親方も高砂親方と同様に降格処分をくらったらどうなるか。

「そうなれば、貴乃花グループと関係の切れた伊勢ヶ濱親方が理事に返り咲くのは難しい。伊勢ヶ濱一門からの後任理事は貴乃花親方に近い浅香山親方(元大関・魁皇)になるとみられる。“貴派”の理事を一枠、奪い返せるわけです。さらには、横綱の不祥事だけに協会の最高責任者である八角理事長(元横綱・北勝海)の責任問題につながってくる。ここ数年、貴乃花親方への支持はじわじわと広がっていたものの、来年の理事長選はまだ劣勢とみられていた。それが今回の暴行事件をきっかけに、一気に形勢逆転の芽が出てきた」(ベテラン記者)

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト