芸能

加山雄三 若大将シリーズの悶絶死にかけ体験

人気シリーズでの“過酷エピソード”を披露

 池田勇人内閣が所得倍増計画を掲げ高度経済成長に向けて踏み出した1961年、加山雄三主演映画“若大将”シリーズの第1作『大学の若大将』(杉江敏男監督)が公開された。

 老舗すき焼き屋のお坊ちゃんで、ルックス抜群。明朗快活な性格で、スポーツ万能、歌もうまいという若大将のキャラクターは、「加山雄三に等身大の役をやらせてみたい」という東宝・藤本真澄プロデューサーのアイデアで生まれた。

 1960年代はまだ珍しかったスキーやマリンスポーツ、バンド活動に海外旅行と、夢のような青春を謳歌する姿に、たちまち“若大将”ブームが巻き起こり、シリーズ7作目の『アルプスの若大将』(1966年)ではこの年の東宝の映画興行収入1位を樹立する。

 毎回、キャラクター設定が多少異なるものの、一貫して描かれているのは、恋に音楽、そしてスポーツに熱中する1960年代の若者のエネルギッシュな青春の日々だ。加山はこう振り返る。

「映画を観た人たちはみんな、あんなに楽しい大学生活が本当にあると信じていたみたいです。でも実際に大学に行ってみると面白くなくて、“若大将は嘘だ”って言われたりするくらいだったんです」(加山、以下「」内はすべて同じ)

 海外旅行が自由化される1年前の1963年には、ハワイで撮影が行なわれた。以後、スイス、イタリア、タヒチ、ブラジルなど、大規模な海外ロケが敢行されている。

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