「極力休まずに出席していました。芸能活動をする上で、髪の毛を染めることもありましたが、うちは校則でカラーリングを禁止しています。ユンホは週末にソウルで活動する時は髪を染めて、日曜夜に光州に帰り、また黒く染めて登校する、ということを繰り返していました。『芸能人だからこそ、他の生徒の模範にならなければ』という意識が非常に強かった。 もちろん、ご両親の影響もあったのでしょう。教育熱心で、ユンホを校内で特別扱いしないよう望まれていた。立派なかたでした」(キム先生)
ユンホの父はかつて金融会社の社員だったが、1990年代に韓国を襲った金融危機(IMFショック)で退職。看護学校の職員に転職した経歴を持つ。
「社会性を重んじるかたで、ユンホに対しても『成功しても絶対におごるな』と教育していたそうです。韓国芸能界では、子供の成功にたかって仕事を辞めてしまう親も多いですが、ユンホのご両親は違った。自分の仕事に邁進し、堅実な生活を続けていました。そんなご両親の元だからこそ、彼の高い倫理観が育まれたのだと思います」(キム先生)
ユンホは文字通り模範的な生徒であり、皆の憧れでもあった。
「高1の時、学園祭のステージで歌を披露しました。『北極星』という韓国の歌謡曲なのですが、非常にうまくて、女子生徒はキャーキャー叫んでいました(笑い)。でも本人は異性に浮つくこともなく、芸能活動と勉強に励んでいましたけどね。そんな姿勢がまたかっこいいんです」(キム先生)
実直、誠実、努力家、義理人情…。これらは現在もユンホのイメージとして語られる言葉だが、高校時代から彼の本質は変わっていなかった。
「日本では韓流アイドルの中でもとりわけ東方神起が人気だと聞いていますが、私は不思議に思いません。ユンホは一本筋が通り、決して人を裏切らない人間でした。普通、若い時は目先の利益にとらわれてしまうものです。だからこそ、多くのアイドルグループが分裂したり、解散したりしていく。でもユンホは昔から利より“義”を取る男です。そして嘘をつかず、約束を守る。だからこそ、安心して応援できるんだと思います」(キム先生)
ユンホは母校に通う経済的に恵まれない生徒のため、毎年奨学金を寄付している。どこまでも真っすぐな彼の人間性は、ここ光州で育まれていたのだった。
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号