芸能

中条きよし 『必殺』シリーズ「三味線屋勇次」誕生秘話

ベストアルバム『艶歌仕事人』が発売された中条きよし

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、新曲『煙が目にしみる』が発売中の役者兼歌手、中条きよしが『必殺』シリーズに三味線屋勇次としてレギュラー出演、スタッフとともにキャラクターを掴み変化させていったことについて話した言葉を紹介する。

 * * *
 中条きよしは1981年スタートのテレビ時代劇『新必殺仕事人』(テレビ朝日)に「三味線屋勇次」役でレギュラー出演、大ブームを巻き起こした。

「『必殺』では、工藤栄一監督のスペシャル『仕事人大集合』でフランキー堺さんに吊るされて殺される役が二度目の出演でした。その時、カメラの石原興、照明の中島利男というスタッフと気が合いましてね。撮影の合間に喋っていたら、彼らが『俺らも推すから、レギュラーでおいでよ』って言うんです。

 その後、新地のクラブでショーをしていたらフランキー堺さんとABCの山内久司プロデューサーがいらして、山内さんが『フランキーさんが凄く推してるからレギュラーで出てほしい』と。こちらからお願いしようと思っていた話なので、もちろん『ぜひ』と返答しましたよ。

 そのことを石原と中島に伝えたら、彼らも事情を知っていたんでしょうね。『きよしさん、五本出るうちに自分でキャラクターを掴んで決めないと人気は出ませんよ』と言ってきまして。それで僕の知らないうちにみんながいろいろと考えてくれて、殺しの道具には三味線の糸を使うことになったんです。

 糸は三種類用意してあって、その中で一番細い糸を使うことにしました。細い糸の方が殺される側からすると怖いだろうから、ということで。

 初回の放送が始まったら、翌日に『きよしさん、視聴率34パーセントです!』って。驚きましたね。運が良かったんだと思っています」

 勇次の母親役を演じたのは、山田五十鈴だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン