「モンゴル互助会」とは、モンゴル出身力士による親睦会の名称で、15年ほど前に旭鷲山の呼びかけで結成されたとされる。「モンゴル力士会」と呼ばれることもある。
番付に応じて会費を集め、病気になった力士の見舞金や冠婚葬祭の費用などに充てる生活互助会である一方、部屋の垣根を超えて酒を酌み交わすこともある。
「貴乃花親方は弟子の貴ノ岩が他のモンゴル人力士と交わることを厳しく禁じました。それに反感を持った白鵬や日馬富士が率先して暴行したのではないかと、貴乃花親方は疑っているふしがあります。モンゴル互助会は、八百長相撲を意味する“星の回し合い”の温床との指摘も絶えません。『週刊新潮』(12月7日号)はモンゴル出身力士の間で八百長が横行していると報じ、これに対して相撲協会は“事実無根”と抗議文書を送ることを決めました」(前出・担当記者)
部屋を超えて強い影響力を持つモンゴル互助会のヒエラルキーの頂点に立つのが現役横綱の白鵬(32才)だ。
近年の白鵬の土俵内外の存在感は、良い意味でも悪い意味でも増している。九州場所で自身の史上最多を更新する40回目の優勝を果たした大横綱でありながら、11日目の取り組みで関脇・嘉風に敗れた際、軍配に抗議して土俵下に1分以上立ち尽くした。横綱にあってはならない態度であることはいうまでもない。千秋楽の優勝インタビューでは暴行事件の渦中にもかかわらず、観客に万歳三唱を要請し、物議を醸した。
「白鵬は、悪童として知られた朝青龍が現役の頃は優等生的存在だったが、近年は取り組み時に禁じ手のエルボーを相手に食らわせたり、勝敗決定後に相手を押し倒す『ダメ押し』まで行う。すっかりやりたい放題になっています」(相撲ジャーナリスト)
神話に起源を持ち、日本最古の「国技」とされる相撲において、横綱は「強さ」だけではなく「品格」が求められる。愚直なまでに相撲道を追求し、「横綱とは何か」を問い続ける貴乃花親方にとって、モンゴル互助会の頂点に立ち、品格に欠ける白鵬の振る舞いは、苦々しさを超えて怒りを覚えるレベルかもしれない。貴乃花親方を支える景子夫人(53才)は2日、宮崎市内の講演でこう話した。
「横綱は神聖なもの。横綱は神様に近い人でないといけない。他の力士たちに力士道を生き様で見せるのが使命」
一方の白鵬も、貴乃花親方との対決姿勢を隠さない。
11月28日、福岡市内で開かれた八角理事長による暴行問題に関する講話の席で、白鵬は「貴乃花巡業部長のもとで冬巡業には参加できない」と発言した。八角理事長は横綱の立場をわきまえない白鵬の発言を表向き戒めたが、実際、白鵬の希望通り、貴乃花親方は暴行問題への対処を口実に冬巡業から外された。
ここに来てはっきりと浮かび上がってきたのは、「貴乃花vs白鵬」という構図なのだ。
※女性セブン2017年12月21日号