◆過払いは指摘してくれない

 相続する土地には評価額が減額され得る要素がある。「広大な土地(土地が広すぎて売却が難しくなる)」、「不整形地(土地の形が悪い)」、「傾斜地」、「土地と道路に高低差がある」、「墓地や火葬場などが隣にある」、「土地の上を高圧線が通っている」、「電車や飛行機の騒音がある」などだ。

 その他にも、将来的に隣接する道路が拡張することが決まっている土地や、人に貸していたりする土地は減額の対象となる。

「これらのポイントに当てはまる土地の相続人が、単純に土地の面積に路線価を掛けた金額で相続税申告をすると損することになります。例えば上空に高圧線が通っていると30%あるいは50%評価額を下げられます」(前出・藤宮氏)

 自身が所有している土地の特徴を掴んでおくことで、税理士の計算法に疑問を持ったときに質問することができる。土地の状況を把握するには、公図(*注)、路線価図、住宅地図等の図面が必要不可欠だ。

【*注/土地の形状や地番、道路、水路や隣接地との位置関係がわかるように作られたもの。これによって土地の境界や建物の位置がわかる】

「逆に言えば、それらの付属書類が税理士の作成した申告書に付いていなかった場合は、きちんと計算されているか確認してみることも必要。土地評価には図と照らし合わせながら現地調査や役所調査を行なうことが必須なのです」(同前)

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