本来、ランキングやアワードはSNSに強いはずのネタですが、ここまで意外性に欠ける結果が続くとツイートやコメントは活発になりません。それどころか、最近は発表前に「どうせこれでしょ」「結果は見えている」などと見透かされてしまう悪循環に陥っています。

『日本有線大賞』が今年で幕を閉じたほか、『日本レコード大賞』も苦戦が続く音楽業界を見ても、ランキングやアワードの先行きは不透明。このままでは師走の風物詩としてのかすかな趣こそ残るものの、かつてのような盛り上がりは期待できないでしょう。

 だからこそランキングやアワードの数を減らし、メディアは安易な報道を抑制し、人々の“疲れ”を取るべきではないでしょうか。「上位ランカーや受賞者が心から喜び、人々が素直に祝福できる」、そんなかつての姿に戻ることを願っています。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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