佐藤:政治とカネの問題で、農水相の松岡利勝さんが自殺し、後任の赤城徳彦さんも絆創膏を貼って釈明会見をした。久間章生防衛相の「原爆しょうがない」という発言もあった。

片山:中間団体(労組や職能団体等)が弱ったせいで、政党の固定的支持層というものが見えなくなった。何かをきっかけに浮動票が地滑り的に動いて、歴史的な圧勝と惨敗が繰り返される。不祥事やスキャンダルがストレートに選挙の結果にあらわれる。

佐藤:今年の都議選では自民党が惨敗して、都民ファーストが躍進しました。でも都議選の真の勝者は公明党です。小池さんを支持することで都議会与党の座を守り、候補者全員が当選した。しかもこの24年間で、都議選で1人の落選者も出していないのです。

片山:公明党の支持母体である創価学会の力が証明された選挙でしたね。この社会状況で、票が計算できる組織力は驚異です。

佐藤:アトム化した社会だからこそ、中間団体である創価学会が力を示せた。今年の都議選は、平成に入ってから大きく変容した日本の政治文化を、ひいては現代社会の問題点をあらわにしたのです。

●かたやま・もりひで/1963年生まれ。慶應大学法学部教授。思想史研究家。慶應大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。『未完のファシズム』で司馬遼太郎賞受賞。近著に『近代天皇論』(島薗進氏との共著)。

●さとう・まさる/1960年生まれ。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。主な著書に『国家の罠』『自壊する帝国』など。共著に『新・リーダー論』『あぶない一神教』など。本誌連載5年分の論考をまとめた『世界観』(小学館新書)が発売中。

※SAPIO 2017年11・12月号

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