ライフ

得する年金術 専業主婦だった妻が60歳以降も働かない場合

妻が専業主婦を続ける場合は?(イラスト/河南好美)

 60歳以降の安定収入を確保しようとする時に、重要なのが「夫婦の合計収入」だ。同い年の夫婦を前提として、シミュレーションしてみよう。夫が60歳以降に再雇用で働いて月収20万~25万円程度となる一般的なケースでは、妻が「働かない」で収入ゼロの場合、夫婦で必要とされる生活費(27万円)が捻出できない。

 かといって夫が年金を「繰り上げ」受給すると、支給停止部分が出てきて“損”になることがある。「年金博士」こと社会保険労務士・北村庄吾氏が解説する。
    
「そこで、『妻だけ60歳』から繰り上げ受給という選択肢が出てきます。夫にどれだけ給与所得があっても、働いていない妻の年金が支給停止になることはありません。厚労省のモデルケース(夫婦で65歳受給の時に月額22万1277円)でいえば、妻が60歳から年金を受け取る場合の月額は4万5459円。十分、家計の助けになります」

 一方で、65歳以降の夫婦の年金受給額は「妻の繰り上げ」によって月額約2万円減ってしまう。「夫は65歳から」の受給を選びつつ、65歳以降も働き口を探す選択が現実味を帯びてくる。北村氏はこう続ける。

「2017年から65歳以上も雇用保険に加入できるようになりました。なので、夫が65歳で一度退職して別の仕事を探す場合は、ハローワークで『高年齢求職者給付金』を申請して受け取ることを忘れてはいけません。月収20万円で働いていた人であれば、約24万円の一時金が受け取れます。雇用保険に加入して働いている限り、一定の条件を満たせば何度でも給付を受けられるので、働く高齢者の強い味方となる制度です」

※週刊ポスト2018年1月1・5日号

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン