ペジー事件の捜査を進めているのは東京地検特捜部の検事たちです。検事とは、まさしく官僚です。政権への不満を溜めてきた霞が関全体の“意思”が検察を突き動かし、ペジー事件に繋がっているように思えてなりません。

 ネットメディアの興隆で、既存のマスメディアの存在感は薄れ、世間からの信頼も揺らいでいます。安倍政権の取材をする中で、マスメディアの課題も見えてきました。

 たとえば、昨今の女性政治家の不祥事報道には、違和感を覚えます。山尾志桜里議員の不倫疑惑にしても、蓮舫議員の二重国籍問題にしても、稲田朋美議員の防衛省日報問題にしても、男性記者は明らかに言葉の強い厳しい質問を執拗に繰り返していました。その一方で、スキャンダルを起こした男性議員には寛容です。取材現場にいると、その落差を痛切に感じます。

 モリカケ問題はスキャンダルよりはるかに重要な国家レベルの問題です。官邸会見でも、どちらかというと、少数の女性記者が厳しい質問を投げかけ、男性の方が菅官房長官のご機嫌を“忖度”しがちです。女性議員の不祥事を執拗に追及する男性記者の半分でもいいので、官邸会見にきて同じ熱量で質問を飛ばすべきだと思います。

 詩織さんへの性的暴行問題では、逮捕状が出たのが記者クラブ所属の記者だったから、手心が加えられたという話もあります。本当にそうであれば、記者クラブは権力と一体なのかと思われても仕方ない。

 たった1人でも官邸会見で質問をし続けることで、そんな状況に一石を投じたいと思っています。

※女性セブン2018年1月4・11日号

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