芸能

松居一代と藤吉久美子 お茶の間席巻「劇場型会見」の勝者は

安定感すら感じさせた会見だった

 2人の女性の“瀬戸際”の会見を目のあたりにして、考えさせられた人は多いだろう。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 年末、世間を騒がせた松居一代さんと藤吉久美子さん。そんじょそこらのフィクションを超えて「ドキュメンタリードラマ」の面白さを見せつけてくれました。2つの会見の内容は対象的でしたが、そのドラマツルギーゆえ、民放番組を占拠する結果に。2つの会見を、ドラマの基本3要素である「役者」「演出」「脚本」の視点から点検してみると……。

●「役者」としては?

 松居一代さんのデビューは1979年。『11PM』のカバーガールとしてお色気を振りまき、ドラマ『幻之介世直し帖』で女優に。映画『マルサの女』『肉体の門』『夜逃げ屋本舗パートII』などに出演していますが、代表作といえるものは? 調べてみると「主役」を演じた映画がありました。1985年29才の時、若松孝二監督の『衝撃 パフォーマンス』で男子高校生と駆け落ちする女教師に。艶系女優的役割でかなりの濡れ場もあるらしい。そのせいか「元祖・壇蜜」と呼ぶむきもいるとか。

 女優としての経歴は、華やかとまで言えないかもしれませんが、今年松居さんはたしかに「演技」で注目されました。自分でプロデュースしたYouTube「松居劇場」における、鬼の形相、射るような目、どす黒い肌……そのインパクトはホラー作品のような迫力がありました。

 一転して、離婚報告会見では花柄の服に身を包み終始ほほ笑みを浮かべ、滑舌よいセリフ回し、余裕を感じさせるペース、決めのガッツポーズ。会見の内容は別として、「段取り」通りきっちりと演じ切った様子。その演技に妙な落ち着き、安定感がありました。

 一方、藤吉久美子さんは1982年のNHK連続テレビ小説『よーいドン』でヒロインに抜擢。女優としては王道のスタート。その後、ドラマのレギュラー出演など活躍は主に90年代。最近は2時間ドラマや時代劇あたりが多く、若者の間では知らない人も多い女優さんでした。

 会見に現れた藤吉さんはすっぴん、赤く腫れた瞳、乱れた髪で号泣。しかし極端なその様子は「涙に逃げている」「ウソっぽい」との感想も多く、演技的には説得力に欠けたかもしれません。男性プロデューサーと一緒の写真では結婚指輪をはずし、会見では指輪を見えるように涙を拭いていた、と細部にわたるつっこみもありました(お笑い芸人・石井てる美さん)。

 ただし、「号泣会見でその魅力に改めて気づいた男性は多く、一部の熟女好きの間で話題になったようです」(2017.12.18「リアルライブ」)。お色気ドラマに推挙する声まで出て、いったい何が幸いするのかはわかりません。

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば\\\\\\\\\\\\\\\"安心\\\\\\\\\\\\\\\"だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン