ライフ

紅白歌合戦に学ぶ5つの教訓 茶番を遠慮するなかれ他

番組公式HPより

 人間いくつになっても学びは重要だ。年の瀬の名物番組も実は示唆に富んでいる。コラムニストの石原壮一郎氏が提言する。

 * * *
 なんだかんだ言って、大みそかといえば「紅白歌合戦」です。たしかに、子どもの頃ほどはワクワクしないし、知らない歌手や知らない歌のほうが多いぐらいですけど、そのあたりも含めて独特の渋みや悲哀を味わいましょう。

 しかも、何を隠そう紅白は、私たちおっさんに「大人を磨く教訓」を授けてくれます。大人的紅白ウォッチャー(自称&期間限定)の私が、僭越ながら5つの教訓をご紹介。今年の紅白をさらに深く堪能し、2017年を華麗に締めくくる一助になれたら幸いです。

●紅白歌合戦に学ぶ5つの教訓

その1「マンネリを恐れるなかれ。やり続けることに意義がある」
その2「茶番を遠慮するなかれ。堂々とやり抜けば大丈夫である」
その3「どっちでもよくても、いちおう勝ち負けにはこだわろう」
その4「イメージに惑わされて、勝手に足かせを作ることなかれ」
その5「おっさんにはおっさんなりの居場所や役割がきっとある」

●その1「マンネリを恐れるなかれ。やり続けることに意義がある」

「紅白歌合戦」は、今年で第68回。私たちおっさんが子どもだった30回目ぐらいから、すでに「マンネリ」と言われまくっていました。それでもやり続けて、いつしかマンネリであることが一種の貫禄となり、今やあらためて「マンネリ」を非難する人はいません。おっさんのダジャレも、おっさんの飲み屋での仕事の愚痴も、かくありたいものです。

●その2「茶番を遠慮するなかれ。堂々とやり抜けば大丈夫である」

 紅白は茶番に茶番を重ねて成り立っています。大物歌手の出場をもったいぶって「やっと決まった体」で発表することしかり、歌のあいだのちょっとトホホなコントしかり。会社生活でも茶番はとても大切です。「いちおう反省している体」や「いちおうヤル気がある体」を見せたり、露骨なお世辞を繰り出したりする場合は、堂々とやり抜きましょう。

●その3「どっちでもよくても、いちおう勝ち負けにはこだわろう」

 紅白で紅組と白組のどっちが勝つかは、世の中でもっとも「どっちでもいいこと」のひとつ。しかし、出場者全員が勝ち負けに強くこだわっているフリをすることで、大事なことっぽく見えています。おっさんもウンチク合戦とか同期との出世争いとか、よく考えたらどっちでもいい勝ち負けにこだわることで、張り合いらしきものを見つけましょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン