ライフ

オプジーボに次ぐ夢の薬か 承認見込みアテゾリズマブの効果

がんの新薬の効果は?

 日本人の死因第1位であるがんは、特効薬の開発が待ち望まれる。近年、登場した治療薬の中で最も熱い視線が注がれたのが「オプジーボ」だ。

“夢の薬”として登場するやいなや、手の施しようがないとされた進行がんの患者についても、腫瘍が劇的に縮小したなどの報告が世界中で相次いだ。

 そして今年、オプジーボに次いで「夢の続き」を期待させるのが、1月にも承認される見込みの「アテゾリズマブ」だ。この薬は、オプジーボと同じ「免疫チェックポイント阻害薬」に分類されるが、効果には違いがある。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。

「オプジーボは『PD-1阻害薬』、アテゾリズマブは『PD-L1阻害薬』に分類され、前者が免疫細胞に働きかけるのに対し、後者はがん細胞の側に働きかけるという違いがある。そのため、どんながんに効くかも異なる。『アテゾリズマブ』は、従来の抗がん剤と併用すれば『非小細胞肺がん』において他の薬よりも有効な可能性があると言われています」

 これまで、オプジーボと同じ「PD-1阻害薬」はすでに「キイトルーダ」が発売されているが、「PD-L1阻害薬」の承認は、アテゾリズマブが世界初となる。

 がん免疫治療薬は誰にも効くわけではなく、すでに処方が開始されているオプジーボでも全体の2割にしか効果が現われないといわれている。そのため、薬効メカニズムが異なるアテゾリズマブが承認されることで、治療の選択肢が広がると期待されている。治験も着々と進んでいる。

「アテゾリズマブは、米国では肺がんと尿路上皮がんで承認されており、転移性の腎細胞がんでも良好な治験結果が出ています。現在日本では前立腺がん、乳がん、卵巣がんなどで治験が進み、多様ながんへの効果が期待されています」(製造元の中外製薬・広報IR部)

関連キーワード

関連記事

トピックス

賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
来季米ツアー出場権を獲得した原英莉花(C)Yasuhiro JJ Tanabe
《未来の山下美夢有、竹田麗央を探せ》国内ツアーからQシリーズへの挑戦の動きも活発化、米ツアー本格参入で活躍が期待される「なでしこゴルファー」14人
週刊ポスト
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン