こうして常に追いかけられるだけでなく、その姿がネットによって世界中を駆け回る。海外でも絶大な人気を誇っていたSHINeeの一員であるジョンヒョンさんだからこそ、そのことを日常的に経験していたのだろう。
「写真専門の“チクドク”は、彼らの人気を後押しする存在でもあるため、アイドルたちの所属事務所も公認であることが多いですし、多くのアイドルたちも認めている存在です。しかし、決して許されないのが“サセン”と呼ばれる過激なファンの存在です。アイドルの私生活を執拗に詮索し、時には犯罪まがいのストーカー行為を繰り返す人達で、韓国でも社会問題になるほどです。
過去にはSHINeeも昼夜問わず合宿所に押しかけられ、私物を触られたり、生ゴミを持ち帰られたりしたこともあるようです。また、メンバーのひとりは携帯番号を入手され、大量のメッセージや着信に悩まされたと告白しています」(同前)
そのような行為をする“サセン”は、何も韓国人ファンだけでなく、日本を含む海外のファンも含まれていたとのこと。そうなると、ジョンヒョンさんは、世界のどこで何をしていても気を抜けない状態だったのだろう。
過去の様々なインタビューなどを紐解いても、「休みの日は家にいることが好き」「多くの人に会うことや新しいことをすることは得意ではない」といった発言をするなど、華々しいパフォーマンスをする姿からは想像できない内面を持ち合わせていたというジョンヒョンさんだけに、精神的に疲れてしまうことも多かったのかもしれない。
ジョンヒョンさんは最近では情緒的で人の心に訴えかける作詞や作曲、小説も執筆するなど、才能を開花させはじめており、高い評価も受けていた。そんな矢先の出来事だっただけに、ファンの落胆はすさまじいものがあった。
しかしながら今月9日、ジョンヒョンさんの死去を受けて保留になっていたSHINeeの日本でのコンサートが、メンバーの意見も十分尊重した上で、当初の予定通りの2月に実施されることになったと発表された。
残されたメンバーの精神的ショックを考えると、コンサートの開催どころかSHINee自体の存続の危機にあると感じていたファンも多かっただけに、メンバー達ひとりひとりが十分に考え、協議した上で”SHINeeを続ける”という勇気ある決断をしてくれたことは、多くのファンにとって悲しみの中の一筋の光になったのではないだろうか。
ジョンヒョンさんが今後も、残されたSHINeeのメンバーやファンを見守っていてくれることを信じたい。