極め付けは今月末から登場する、成長した長男・隼也と、その恋人のキャスティング。これも24歳の成田凌さんと22歳の水上京香さんが演じるのです。特に成田さんは若手ながら昨年、4クール連続連ドラ出演を果たした格上の俳優であり、身長も葵さんより10センチ以上高いだけに、視聴者に母子の関係を感じさせるのは至難の業でしょう。

 くしくも1年前の同時期、『べっぴんさん』(NHK)の芳根京子さんが同じ19歳で母親役に挑み、賛否を巻き起こしました。ただ芳根さんは、共演の百田夏菜子さん、土村芳さんも母親役を演じていたため分散されましたが、葵さんは視聴者のシビアな目を一手に引き受けることになります。

 大ピンチ……と思いきや、葵さんにとってはこれまでの逆境を一気に覆すチャンス。「やっぱり母親に見えず感情移入できない」と言われるか、「19歳の若さで母親に見えるなんて意外に凄い」と、手のひらを返されるかは葵さん次第でしょう。

当然スタッフサイドは、ゆったりとした所作や貫録のある話し方などの演技指導や、ヘアメイク、衣装などでサポートしますが、それよりも重要なのは葵さん本人。「にじみ出る若さやみずみずしさを抑え、老いや深みを感じさせられるか」「これまでの演技を“振り”にして、違う姿を見せられるか」にかかっているのです。

◆芸人の母になり、戦争に突入する難局をどう乗り切るか

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