実際、一昨年のオフに大人数での自主トレに参加した結果、2桁勝利を逃した菅野は昨オフ、少人数での「群れない自主トレ」に戻し、結果として最多勝・最優秀防御率の2冠、沢村賞の栄光を勝ち取っている。
“チーム”を結成して率いることが、成績を上向かせるとは限らないのだ。400勝投手のOB・金田正一氏が自主トレの実情をこう嘆く。
「ワシらが現役の時は、他チームの選手とまで合同でトレーニングをやるなんてことは絶対になかった。他球団の選手はもちろん、チームメイトだってライバルですよ。体作りひとつとっても企業秘密で簡単に教えたりはしなかったぞ。仲良くなれば馴れ合いになるし、ましてやそれが他チームの選手だったりすれば、厳しいコースを攻められなくなるじゃろう。最近の選手にはプロ意識が欠けとると常々思うが、仲良し自主トレはその象徴ですよ」
峠を過ぎたベテランは孤立し、脂の乗りきった中心選手は若手に足を引っ張られる──そんな1年にならないか、G党の不安は今から絶えない。
※週刊ポスト2018年1月26日号