「一昨年からインスタ映えスポットとして人気が出て、多い時は300台以上の車が岸壁にギッシリ集まり、危なくて仕方なかった。空き缶や食べ物などのゴミもひどくて迷惑していたので、閉鎖されてよかったです」(岸壁近くの物流倉庫社員)

◆「日本社会の特性」も原因か

 海外では、SNSに「映え」を狙うあまり命を落とすケースさえ続出している。中国では高層ビルの屋上で命綱なしで側面にぶら下がるパフォーマンスをYouTubeで披露していた男性が落下して死亡し、メキシコでは麻薬組織のボスを口汚くののしる動画をアップした17才少年が武装集団に銃殺された。

 決してポジティブな面だけでないSNSに対して、こんな声も聞こえる。

「以前は頻繁にインスタを更新していたけど、いい加減疲れました。最初は友達同士で楽しんでいてフォロワーが増えることがうれしかったけど、次第に更新がかったるくなった。ある時、友達の投稿に『いいね!』を押しながら、“私今、いいねと思っていないのに押している”とふと思ったんです。楽しかった撮影やコメントが義務になっていることを感じて更新をやめました」(35才OL)

 楽しいはずのインスタがなぜ泥沼となるのか。精神科医の香山リカさんは「日本社会の特性」が原因だと指摘する。

「ムラ社会の日本では“自分は自分”と思うことができず、狭いコミュニティーのなかで人より上か下かで自分の価値を測ります。人からどう思われるかを過剰に気にする社会なので、インスタでも他人との競争意識が生じて“負けたくない”と更新が義務のようになる。 インスタは本来、楽しむはずのツールなのに、エネルギーを吸い取られてしまって心を病むこともあります」

 とくに投稿が一覧で表示されて、料理やメイクなどの写真で「自分」と「他人」を比較できるインスタは、「負けたくない」との意識が生まれやすい。心の病で静養する必要があるのに、“更新をやめたら私はおしまいだ”と写真をアップし続ける人もいる。

 これがインスタ映えのもたらすもう1つの現実である。

※女性セブン2018年2月1日号

関連記事

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン