「当初は虫歯菌の除菌をターゲットに行なっていましたが、昨年臨床研究として8人の患者さんに実施したところ、歯周病細菌の除菌も確認できました」(花田教授)

 3DS除菌は、まず上下の歯型をとり、歯科技工専門会社に送って専用の樹脂製のトレーを作製する。同時に患者の唾液中の細菌数、潜血検査、歯周組織検査などの口腔内の検査に加え、血圧測定や体組成測定、血管内皮機能検査、ストレス測定など生活習慣病の原因となる検査で状態を確認する。

 そして患者の口腔内徹底クリーニング後、トレーに薬剤を塗布し、歯列に装着して5分おく。約700種といわれる口腔内細菌のうち、歯周病菌3種と虫歯菌2種の合計5種を除菌対象とする。

 治療は4か月以内に5回の通院と毎日の歯磨き後のトレー装着を行なう。5菌種の病原細菌の除菌ができたら、薬剤をフッ化物に変える。

 3DS除菌法を朝夕毎日、一生続けることで生活習慣病発症予防と重症化予防につながると期待されている。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2018年2月9日号

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