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2018.02.02 16:00  女性セブン

15才で住み込み店員にされたオバ記者 末期がんの父への思い

「あれは親子げんかじゃない。父ちゃんは、町のチンピラが本気でけんかをしているような言葉で、姉ちゃんを脅かしていた」と、昨年6月に亡くなった実弟は言い、「ま、姉ちゃんも負けちゃいなかったけどな」とも。

 それで「高校には行かせない。住み込みで中卒で働け」ということになって、「ああ、いいよ」と売り言葉に買い言葉。結局、15才の私は町内の商店の住み込み店員になって、そこから高校に入学した。

 朝6時に起きて一家の洗濯をし、ご飯を炊いてから制服に着替えて登校する。平日は放課後から寝るまで。土日と夏休みなどの長期休みは、朝から晩まで働く。これが1年間続いた。

 そのときのことを、父親はどう思っているか。聞いたことはないけれど、負い目になっていると私は確信しているの。

 私が就職をして上京すると、茨城から米を持ってどこにでもやって来るんだもの。農家から私の分もふくめて、まとめて買っていたのよ。それはずっと続いていて、先日も病室でかすれる声で、「米、あんのか?」だって。まったくまいっちゃう。

 そんなわけで、父親に対する恨みつらみはとっくの昔に消えているし、「長生きしてくれてよかったなぁ」と心の底から思うんだわ。

 だけど“なさぬ仲”の限界を感じることもあってね。父親に、「気持ち悪いからさすってくれ」と背中を向けられたら、とっさに、「えっ、 なんで?」と後ずさっちゃった。「なんでって、なんでだよ」と父親はすごく傷ついた顔をしている。

 覚悟を決めて、折れそうな背骨をさすったけど、手から伝わる感触は、間違いなく“他人”。なのに、ちょっと時間が空くと気になって、宇都宮線に飛び乗っているの。

 そして死体のように横たわっていた父親が、「起こしてくれ」と言って氷をガリガリ食べたり、「ははは」と声を出して笑ったりすると、どうしたことか、私はほっと胸をなでおろすんだわ。憎んだり、怒ったりしたところで、親は親なのよね。

※女性セブン2018年2月15日号

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