理事会という場自体、奇妙な慣行に支配されている。昨年11月末の理事会では、沈黙を貫く貴乃花親方に対して副理事の芝田山親方(元横綱・大乃国)が「理事として協力しよう」と声をかけたことが報じられた。
「理事会では全員に発言権はあるが、現実には理事長と元横綱の親方しか発言しない。理事会の運営と関係ないはずの現役時代の序列がそのまま持ち込まれているのです」(ベテラン記者)
3月まで理事会は7人の現理事が運営し、貴乃花グループの理事は山響親方だけになるが、「現役時代の最高位が前頭筆頭の山響に発言権などない」(同前)のである。スポーツ評論家の谷口源太郎氏はこう憤る。
「かつて相撲協会は、一門が機能しながら自律的に運営するという他のスポーツ団体とは違うユニークな組織でした。それが年寄株を別の一門から高いカネで買い漁り、親方たちは本来の役割である力士の育成そっちのけで既得権を守ることに必死。そんな協会ならば一度解体して出直したほうがいい」
相撲協会の闇は深く、そして暗い。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号