スポーツ

相撲協会理事会 理事長と元横綱親方しか発言しないのが現実

優勝パレードも”ルール違反”だった(時事通信フォト)

 初場所で平幕優勝を果たした春日野部屋の栃ノ心(ジョージア出身)の優勝パレードでは、同部屋の碧山(ブルガリア出身)が旗持ちで隣に座った。これも本来なら“ルール違反”のはずだ。

 ロシア出身・露鵬らの大麻問題(2008年)、モンゴル出身横綱・朝青龍の暴行事件(2010年)などもあり、2010年から「外国人出身力士は1部屋1人まで」という申し合わせがなされた。

「碧山は2012年に師匠(当時の田子ノ浦親方=元前頭・久島海)が急死して部屋が閉鎖されたため、同じ出羽海一門の春日野部屋に移る特例が認められた。理事会の裁量で、“例外”がいくらでも作られていく」(協会関係者)

 本誌・週刊ポスト前号では、仮に貴乃花親方が理事に当選していたケースで“反貴乃花”を鮮明にする池坊保子氏が議長を務める評議員会が「就任拒否」とした場合、どのように欠員を補充するのかを八角理事長に直撃した様子を報じた。記者の問いに、「その時に考えればいい」という八角理事長の答えからも、“後付けルール体質”が透けて見える。

 そうした執行部が「1場所5億円ともいわれるNHKの放映権料をはじめ、事業収益110億円の巨大組織を動かしている」(担当記者)のである。企業や公益法人のガバナンスに詳しい久保利英明弁護士はこういう。

「公益財団法人は税制上の優遇措置を受ける以上、国民に開かれていなければならない。にもかかわらず、組織の意思決定や理事会を監視する役割を担うはずの評議員の選任過程も不透明。プロ野球ではNPBのコミッショナーは球界OB以外が務めるなどしているのに、相撲協会は『年寄株を持った親方の投票で選ばれた力士OB理事』の運営を誰も監視できていない。その異常さは際立っている」

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン