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江戸落語本来の魅力を伝える重鎮3人の定例会「雲一里」

2018.02.09 16:00

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、寄席の世界の重鎮3人による定例会「雲一里」についてお届けする。

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 五街道雲助、春風亭一朝、柳家小里ん。寄席の世界の重鎮3人が集う定例会が昨年末にスタートした。題して「雲一里」。年に3~4回のペースで開催していくという。場所は東京・日本橋公会堂。12月11日の第1回公演では一朝、小里ん、雲助の順に高座に上がった。

 一朝が演じたのは『三井の大黒』。名工・左甚五郎の逸話で、三代目桂三木助の演目として知られる。その三木助の流れを汲む型を若い頃に覚えた一朝は、長い間やらずにいたこの演目を最近やり始めた。まず棟梁の政五郎が、なんとも素敵だ。この噺は男気に溢れた政五郎の器の大きさが描けてこそ楽しく聴ける。職人たちも江戸っ子らしくて実にいい。ポン州と呼ばれる甚五郎の描き方も絶妙で、決して与太郎のようにはならず、トボケた中に名人らしさが垣間見える。清々しい一席だ。

 五代目柳家小さん一門の中でも最も師匠に近い芸風の小里んは『言訳座頭』を演じた。『睨み返し』と並ぶ、小さんの暮れの演目だ。派手な『睨み返し』に比べると地味で、あまり人気があるとは言えない噺だが、小里んは淡々と進行していく物語に観客を引き込んでいった。知り合いに頼まれて借金の言い訳に歩く富の市という老按摩の「一本気な江戸っ子」という性格が実に上手く表現されている。押しの強さで相手に「わかった、待つよ」と言わせた途端、ガラリ変わった低姿勢で「あ、どうもすいません」と逃げ帰る富の市の軽さが楽しい。このくだりの可笑しさは小里んならではのものだ。

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