「HIROは10代の頃からディスコに出入りするうちにダンスミュージックへの憧れを抱き、仲間を集めてEXILEの母体となるJAPANESE SOUL BROTHERSを結成。それまで日本で軽視されていたダンスを、彼らしいやり方で洗練させて、1つのエンタテインメントとして確立させました。今では小中学校でダンスが必須科目になっていますが、それは紛れもなくHIROとLDHの功績です。
HIROのサクセスストーリーもさることながら、『夢をかなえる』という彼の信念・イズムが所属アーティストに徹底して受け継がれていることに、若者は共感し、憧れるのではないでしょうか」
ただ歌うこと、踊ることが好きだった青年が、血のにじむような努力をして、華やかなステージに上がる。たとえば、三代目JSBの今市隆二(31才)は、歌手になるためのボイストレーニングの費用を稼ぐために職人の仕事をし、2010年のオーディションで同グループのボーカルに選ばれた。
デビューという「夢」を実現した後も、彼らはまだ「夢」を追い続ける。三代目JSBのELLY(30才)はもともとパフォーマーだが、ヒップホップアーティストとしても活躍したいという夢をかなえ、CRAZYBOY名義でCDデビューも果たした。EXILE TETSUYA(37才)はパフォーマーとして活躍する傍ら、早稲田大学大学院に通い、スポーツとしてのダンスの可能性を探っている。
バブルが崩壊して約30年。長引く不況で、日本人は経済的に自分の人生に成長曲線を描くことが難しくなった。若者は閉塞感を感じ、どこか冷めたイメージの「さとり世代」という言葉まで定着した。
LDHの「夢をかなえる力」は、そんな今時の若者像とは真逆だ。だからこそ強烈であり、新鮮であり、憧れの存在になり得るのだろう。LDH JAPANの石井一弘さんが言う。
「所属する若いアーティストたちには、HIROやEXILEメンバーをはじめ、先輩アーティストたちと密にコミュニケーションをとれる環境があります。そして先輩たちの背中から、謙虚であることや夢を追うことの姿勢を学び、何よりもトップアーティストでありながら謙虚であるという姿がカッコいいと感じています。そうした価値観が受け継がれてきたのは、社内のスタッフやアーティストが想いや志を共有するための1冊の本、『LDH OUR PROMISE』(原書)の存在が大きいのかもしれません」
※女性セブン2018年3月15日号