国際情報

朴前大統領の弾劾訴追を見れば韓国立法・司法の歪み分かる

弾劾が成立し罷免された朴槿恵前大統領 AP/AFLO

 これまで、法律より感情を優先する韓国の性癖に日本は振り回されてきたが、それは韓国の財閥グループを巡る贈収賄事件で、検察から懲役30年、罰金1185億ウォン(約118億円)を求刑された前大統領の朴槿恵被告の公判を見ても分かる。厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。

 * * *
 韓国が厄介なのは、政府だけでなく、立法府や司法までも歪んでいることです。朴槿恵前大統領の弾劾訴追を見れば実情がよくわかります。

 韓国の国会は2016年12月に朴氏の弾劾訴追案を可決しました。国の最高責任者を弾劾するわけですから、大統領が憲法違反の重大な罪を犯した事実などがなければ訴追できません。

 しかし朴氏の弁護人を務めた金平祐弁護士によると、訴追状には「街を埋め尽くした大群衆の国民運動に応える」と記されていたそうです。

 日本で安保法制が審議された際に、国会周辺ではSEALDsや左派系文化人などがデモを行いましたが、そのデモを理由に安倍首相が弾劾されるようなもので、法治国家の体をなしていません。韓国の国会は法律よりも国民感情を優先したことになります。

 おかしいのは憲法裁判所も同じです。

 国会で可決された弾劾訴追案は憲法裁判所で審議され、裁判官8人が全会一致で支持しました。金弁護士によれば、憲法裁判所の設立30周年を祝う記念誌には、弾劾訴追を支持したことについて「革命的な決定だった」と記されているそうです。法の番人である憲法裁判所がなぜ法を無視して「革命的な決定」を下すのか。法治国家とは言えない異常な事態です。

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン