「実は今回の事故現場の交差点で私も轢かれそうになったことがあります。欧米系の外国人男性が運転していたんですが、彼は交差点に差しかかるとき、運転しながらカメラを構えたため、ぶつかりそうになったのです。かなり危なかったのですが、彼は悪びれる様子もなく、笑顔で手を上げて走り去りました。遊園地のカートと同じような感覚なのでしょう」
そんな中で起こった今回の事故。森口氏は警鐘を鳴らす。
「現行制度のままレンタルカートを続けるのは危険です。今後もトラブルは増えるはずですし、このままでは死亡事故まで起きかねません」
外国人観光客に悩まされているのは都内だけではない。
例えば、熊本県八代市では近年クルーズ船の入港が急増。観光名所である八代城跡の八代宮では生垣にポイ捨てされたたばこの吸い殻が散乱。さらに砂利が手水台に投げ込まれるなど迷惑行為が相次いでいた。そのため、八代宮では昨年8月からクルーズ船が寄港するたびに本殿の門を固く閉ざしているという。
他にも京都では春の祇園巡りの目玉だった夜桜のライトアップを「外国人観光客増による事故の懸念」によって、昨春から“中止”という措置を取っている。
高崎経済大学地域政策学部観光政策学科准教授の井門隆夫氏が言う。
「東京五輪に向けて外国人観光客は増える一方でしょう。それに伴う“観光公害”も拡大していくはず。国際免許の取り締まりをはじめ、国や自治体が規制強化に取り組まないと外国人観光客の“暴走”は止まりません」
景気低迷に悩む日本にとってインバウンドによる経済効果はありがたいが、キチンと日本のルールを守ってほしいものだ。
※女性セブン2018年3月22日号