「20才のとき、チャップリンの映画を見て『斬られ役の1番になろう』と決意しました。チャップリンはスタントマンなしで危険なシーンをコミカルに演じている。自分にも、自分にしかできない斬られ方、倒れ方があるはずだ、と気がついたんです」
“斬られ役”一筋で生きてきた福本の評判は海外にも届き、2003年にハリウッド映画『ラストサムライ』にも出演。主役のトム・クルーズに武士の作法などを教える老侍という役どころだった。
大杉漣さんも過去の本誌のインタビューで役者という仕事についてこんなふうに語っていた。
「ぼくの仕事は、選んでもらう仕事なんです。趣味のサッカーに例えると、ピッチに立つ11人のなかに入らなきゃいけない。選んでもらった仕事がそのときによって、ワンシーンツーシーンだけの役の時もあるのですが、それはそれでぼくのフィールドだと思ってるんです。“これしかやらない”じゃなくて、もし求められればどのポジションでもやらせていただきたいといつも考えています。
そうやって選ばれることを積み重ねて行った先で、体が動いて、精神が元気な限りは死ぬまで一生、一俳優として現場に立ちたいと思っているんです」
※女性セブン2018年3月22日号