この状況は関取にもストレスを強いる。取組前の移動中にファンから握手などを求められるのを避けたがる関取は多く、付け人が“ガード役”となる。だが、貴乃花部屋では付け人の取組のある日(幕下以下は1場所7番)は、関取が一人で会場へ向かわなければならなくなっていた。
本来、付け人が足りない時は同じ一門の部屋から“応援”を出してもらうのが慣例だが、貴乃花親方はそれをしなかった。担当記者が言う。
「2月の理事選で貴乃花親方が落選し、同じ一門から阿武松親方(元関脇・益荒雄)が当選して以降、一門内の亀裂が深まっている。阿武松親方や前回の理事長選で貴乃花親方を支持した山響親方(元前頭・巌雄)も、3月末からの新体制での花形ポストをちらつかされ、すでに八角理事長(元横綱・北勝海)ら執行部に取り込まれたとみられています」
貴公俊がイライラを“爆発”させる環境は、昨年末からの「貴乃花の乱」に連なっていたのである。
※週刊ポスト2018年4月6日号