「2人とも猜疑心が強く、部下に対しては突然の解任や粛清という人事手法を取るところが共通しています。いつ裏切られるかわからないという不安感から側近をほとんどつくらない。結果、トランプ氏は娘のイバンカ氏、金正恩氏は妹の与正氏と、肉親を誰より重用しています」(五味氏)
トランプ氏は就任以来、相次いで閣僚を更迭してきた。3月にはレックス・ティラーソン国務長官を解任、マイク・ポンペオCIA長官を後任に指名。対北強硬派のポンペオ氏だが、米朝首脳会談の事前交渉にあたっていると報じられた。
正恩氏も次々と側近を粛清してきた。ナンバー2とみられていた叔父の張成沢氏(国防副委員長=当時)を2013年12月に銃殺処刑。その粛清を主導させた秘密警察トップの金元弘・国家保衛相も昨年1月に解任している。
正恩氏と交流があり、トランプ氏ともテレビで共演したことがある元NBA選手のデニス・ロッドマン氏は2人について、「似た者同士」(仏AFP通信、2017年12月13日付)と答えている。
秋に中間選挙を控え政権浮揚を急ぐトランプ氏に対し、正恩氏は核ミサイル開発を進める時間を稼ぐのが狙いとされる。しかし、前出・五味氏はこう見る。