ただ、八角理事長ら執行部としては、貴乃花親方が“全面降伏”した状況では、解雇するわけにはいかない。
「世間の受け止め方は、“貴乃花親方の行動もおかしいが、協会の暴力隠蔽体質も改まっていない”というのが相場。貴乃花親方だけ厳しく罰して、執行部は安泰では、世間の支持が貴乃花親方に集まりかねない。貴乃花親方の力を削ぎながら、外部からは報復と受け取られないような処遇にする“工夫”が必要だった」(前出の協会関係者)
そうした意向を踏まえてか、厳しい処分を求める声が続出するとみられていた年寄総会でも、貴乃花親方の謝罪を受け入れる空気が支配的となり、“反貴派”の急先鋒とみられた高田川親方も、最終的には「処分は理事会に一任する」と折れた。
現役引退して間もない親方ばかりの「年寄」への2階級降格は、決して軽い処分ではない。年明けは理事だった貴乃花親方は、3か月足らずで5つも階級が下がったことになる。ただ、弟子への引退勧告も、自身の契約解除も避けられた。
そして、職務を「審判部」に配すという“辞令”が出た。
※週刊ポスト2018年4月13日号