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新人漫画賞を審査する現役スター漫画家たちの白熱議論

◆最終投票!!

司会:ではここで一人1票の投票で大賞を決めたいと思います。

■投票結果
『委員長、草をむしれ』(奥、押見、菊池)
『くるくるくるりん』(浅野、花沢)
『パレーシア』(柳本)

司会:投票の結果、大賞は『委員長、草をむしれ』ということでよろしいでしょうか。

浅野:編集長特別賞と審査員賞はどうしますか?

菊池:今回は編集長特別賞は該当無しです。『グロウ』は自分はあまり評価をしていませんでしたが、押見さんはいかがですか?

押見:そうですね、完成度という意味ではいちばんよかったので賞をあげたいです。

菊池:では『グロウ』は押見さんから審査員特別賞ということで。『ひまわり』は、花沢さんがどうしてもというのであれば…。

花沢:『ひまわり』はなにか可能性を感じるので、佳作でどうですか。

柳本:『パレーシア』も佳作10万円にするのはだめですかね?

菊池:では、『パレーシア』『ひまわり』『終わりの季節』を佳作で。これで全ての賞が決定です。結果を受けて何か言いたいことがあれば。

浅野:僕としては『委員長、草をむしれ』は、今後の雑誌の方向性や、とりあわせを考えると興味があるんですよね。少女漫画志望の18歳の女の子を青年誌の畑につっこんで、担当がついてどんな変化をみせるのか、僕はもうむちゃくちゃにおかしくなればいいと思っているんですけれど(笑)、そういう事故みたいなものを期待して大賞にまったく異論なしです。

柳本:僕もいいと思います。担当の責任がすごく大きくなると思うけれど、とにかく数を描かせてほしいですね。僕が18歳の時に三〇〇万円もってたら絶対、超遊んじゃうと思うし。そうならないように尻を叩きまくってください。

司会:それでは、第1回次世代マンガ大賞は中田アミノ『委員長、草をむしれ』ということで決定いたします。審査員のみなさんありがとうございました! また、すべての応募者の皆さんに、改めて感謝と敬意を。ありがとうございました!

※大賞(賞金300万円)の『委員長、草をむしれ』(中田アミノ氏)と、入選(賞金100万円)の『くるくるくるりん』(冨手優夢氏)は、『ビッグコミックスペリオール』(4月27日号)に掲載中。審査員特別賞の『グロウ』(川氏)、佳作の『終わりの季節』(まんがクラブきたはし氏)、『パレーシア』(佐野千潮氏)、『ひまわり』(高橋龍二氏)は、スペリオール公式サイト(https://bigcomicbros.net/news/superior_jisedaimanga/)で公開中。

【審査員漫画家5人のプロフィール】
◆浅野いにお:1980年、茨城県出身。1998年デビュー。代表作に『ソラニン』『おやすみプンプン』。『零落』で新境地を開拓。

◆奥浩哉:1967年、福岡県出身。1988年デビュー。代表作に『GANTZ』『いぬやしき』。『GIGANT』が話題沸騰中。

◆押見修造:1981年、群馬県出身。2002年デビュー。代表作に『惡の華』『ぼくは麻理のなか』。次なる代表作『血の轍』も人気。

◆花沢健吾:1974年、青森県出身。1997年デビュー。代表作に『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『アイアムアヒーロー』。次回作を鋭意準備中。

◆柳本光晴:徳島県出身。2012年デビュー。『響~小説家になる方法~』は代表作にして圧倒的大人気を誇る。

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