しかし1週間以上経っても痛みは改善しない。家族から再受診を勧められたAさんは総合内科のクリニックを受診する。その際、Aさんが“腰から脇腹にかけて深い所がズーンと痛む”と伝えると、下された診断は意外なものだった。

「『腰から脇腹にかけての深い所』と『ズーン』という2つのポイントと、さらに長く痛み止めが効かないことから、医師は単なる腰痛ではなく、内臓に疾患があるのではないかと判断したようです。単なる腰痛であればピリピリなどの表現をすることが多いが、どうやら違うのではないか、と。すぐにCTで精密検査を行なうと、腹部に破裂寸前の腹部大動脈瘤が見つかった」

 腹部大動脈瘤が破裂すると、手術を行なっても約半数が死に至るといわれている。Aさんは「どこがどう痛むか」を医師に伝えられたことで、一命を取り留めることができたといえる。このように痛みの「場所」と「表現」は疾病を測る重要なバロメーターになる。

※週刊ポスト2018年4月27日号

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