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天才小学生プログラマー 根本は“役に立ちたい”思い

「誰かの役に立ちたい」とプログラミングを学ぶ子供たち(写真/アフロ)

 2020年から「プログラミング」が小学校の必修科目になった。コンピューターは小学生にとって、日用家電の1つのようだ。

 小学4年生の吉田たくとくんは、小さい頃からパソコンが大好きで、2年生のときにプログラミングを始めた。今回、毎日献立に悩むお母さんを助けたいと、食材を選択することで作れる料理を提案してくれる料理アプリ「たべガチャ」を開発。デザインや画面をガチャガチャ風にして楽しめるよう工夫したという。

 小学3年生の斉藤みりさんも、小学2年生になる少し前、好きだったアメーバピグ(サイバーエージェントが運営するコミュニティサイト)がどうやって作られているかを知りたいと、プログラミングに興味を持った。

 斎藤さんが語る。

「今回作ったアプリ『eat Diary』は、お母さんがおっちょこちょいで2日連続で同じ料理を作ってしまうことがあるので、記録を付ければよいのではないかと思い、作ることにしました。作った料理を撮影して、日付を書き込み、家族はその評価を記録します。アプリの色は、食欲をそそるオレンジにしました。プログラミングは遊ぶことの1つ。みんなにやってほしいです」

 ここで紹介した二人は、5人が参加した「Kid’s Creator’s Studio」という小学生のためのプログラミングスクールにのべ100時間にわたり、プログラム言語とデザインツールの講習を受け、オリジナルのアプリを開発した。広いレベルの中でも“トップ層”にいる“選ばれし天才”たちだが、その素顔は“普通の”小学生とかわらない。

「カマキリを捕まえることが好き」(吉田くん)、「スノボやキャンプが好き。プログラミングよりキャンプの方がちょっと好きかも」(高橋温さん・小学5年生))など、自然や野外にも関心が高く、「家ではパソコンは1日2時間と決められてる。たまに授業中にプログラミングのことを考えちゃって…。あ、先生に怒られちゃうかな(笑い)」(曽田柑くん・小学4年生)、「夢中になってお母さんに怒られることもある(笑い)」(吉田くん)と、学校の勉強との両立も一生懸命。

「物作りが楽しくなるようなアプリを開発したい」(菅野さん)、「自分の好きなことを学んだり教えたりできる会社をつくりたい」(前出・斉藤さん)と夢は無限大だ。 これからはAI時代といわれ、私たちの仕事はその大半がAI(人工知能)にとって代わられるとも危惧されている。

 しかし、プログラミングを学ぶ小学生たちの根本にあるのは、「誰かの役に立ちたい」「生活の不便を解消したい」「自分の好きなこと、友達の好きなことを形にしてみんなを楽しませたい」という、人と人をつなぐ思い。こうした思いはAIにはマネできないはず。AI時代を生きる小学生たちは、AIを駆使し共存する社会づくりの担い手として期待されている。

※女性セブン2018年4月26日号

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