──『リトルマーメイド』は女性や子供向けの印象だが、実は家族連れの父親に一番響くと聞くが。
近藤:本当にそうなんです。根底にあるのは父と娘の物語。親心が伝わらないもどかしさや、その親子にしかわからない感覚が随所で表現されています。僕も親なので、「自分もいつか、わが子をああやって送り出すんだろうな」なんて。子育てを経験した父親は、「俺も色々大変だったなぁ」としみじみ共感してしまうと思います。絶対に泣いてしまいますね。
谷原:その親心が伝わってくるので、フィナーレのパパとのシーンはお稽古でも号泣してしまいました。俳優は役に近付いていく部分があって、私の場合、アリエルを演じていると自然に緑色の服だらけになるんです(笑い)。
夢にまっすぐなアリエルとは性格や生き方が似ているかもしれません。若い頃は私も親に歌を反対されて、ぶつかりながらも、「絶対にやる!」と貫いてここまできたんです。