国内

セクハラ問題、上層部と財務省のナアナアにテレ朝局員も憤り

ナアナアのやり取りに現場社員も憤り(共同通信社)

 財務省の福田淳一事務次官によるセクハラ問題。福田次官は、自宅近くのバーに女性記者を呼び出し、「おっぱい触っていい?」などとセクハラ発言を繰り返した。『週刊新潮』(4月19日号)が報じ、音声テープを公開すると、テレビ朝日はセクハラを受けたのは自社の女性社員Aさんであると公表した。

 Aさんは、この音声をテレビで流したいと、上司である50代の女性管理職のBさんに掛け合った。しかし、Bさんは放送できないとの判断を下した。

 政治部出身のBさんはかつてテレ朝の看板番組『報道ステーション』のプロデューサーを務めていた。

「気骨があり有能な女性として評判でした。『報ステ』では原発再稼働の批判や慰安婦問題の検証など、政権の方針と違う内容が目立って安倍政権から目の敵にされていました。その後、担当プロデューサーだったBさんは番組を外され、経済部に異動しました。事実上の更迭でした」(Bさんを知る関係者)

 権力の恐ろしさを誰より知るBさんだからこそ、部下の局内での告発にGOを出せなかった。

 Aさんの告発が掲載された『週刊新潮』は大きな反響を呼び、「犯人探し」が始まった。局は緊急会見を開いたが、そこで展開されたのは、あたかもAさんが悪者であるかのような“謝罪会見”だった。テレビ朝日の篠塚浩取締役報道局長は「当社社員が、取材活動で得た情報を、第三者に渡したことは報道機関として不適切な行為であり、当社として遺憾に思っています」と述べた。

 これには、特にテレビ朝日の若手の社員たちが大きなショックを受けたという。

「財務省に抗議して『責任を取ってください』と訴える会見だと思っていたら、まるで違っていた。記者が新潮にテープを持ち込まざるを得なかった状況を説明して社として全力で守るのではなく、『Aがすごく悪いことをしてすみません』と平謝りする内容だった。局の上層部は財務省に一応の抗議はしたものの、結局ナアナアのやり取りが続き、現場の社員はみんな憤っているといいます」(メディア関係者)

 本来なら「Aは勇気ある行動をした。彼女をそこまで追い込んだ会社にすべての責任がある」と主張すべきなのに、政権の意向を忖度し、あげくは被害者に罪をなすりつけた。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン