【オリックス銀行】
1993年に山一信託銀行として発足も、1997年に山一證券が自主廃業、翌1998年にオリックスが買収。2001年からネット専用預金の取り扱いを開始。振り込み手数料は月2回まで無料ながら、3回目以降は税込み432円と他行より高いが、時折ほかのネット銀行より金利の高い定期預金キャンペーンをすることがあり、意外と侮れない存在かもしれない。
【しずぎんインターネット支店】
地銀の中でも財務健全度が指折りといえる、静岡銀行のネット専用口座の支店で、2007年7月に設立。振り込み手数料は都度、他行あては税込み216円かかってしまうが、引き出し手数料はセブン銀行、イオン銀行のATMなら曜日、時間帯に関係なく何回でも無料なのはありがたい。さらに、年に2回ほど行われる定期預金のキャンペーンでは、ネット銀行トータルで見ても一番高い金利を設定することが多く、かなりお得だ。
【ソニー銀行】
2001年設立とネット銀行の中では老舗の部類。かつては外貨預金の優遇ぶりに定評があったが、近年は他行とそれほど違わない印象。定期預金も近年は並みの金利設定という感じだ。
デビットカード機能付きのキャッシュカード利用者なら振り込み手数料は月2回まで無料。ただし、ソニー銀行もセブン銀行、イオン銀行でお金をおろす場合、手数料が時間帯や曜日に関係なく何回でも無料なのは、庶民の財布にかなり優しい。なお、以前は傘下にソニーバンク証券というネット証券もあったが、2013年にマネックス証券に売却した。
【住信SBIネット銀行】
2007年設立。以前はソニー銀行同様、引き出し手数料は無料で重宝されていたが、振り込み手数料ともども預金残高や取引残高の多寡によって無料の回数を決定するなど改悪された。ただし、新生銀行のように一定金額以下は無料回数がゼロということはなく、ステージによって2回から15回まで、無料の回数にもかなり幅がある。
定期預金のキャンペーン金利はソニー銀行と同等か、少し上ぐらいか。特徴はSBI証券の口座と紐付けられ、証券投資の待機資金としていつでも資金移動、即時決済できるので個人投資家には重宝する。また、住宅ローンの低金利ぶりがローンを借り換える人たちに好評なのも特徴。
【大和ネクスト銀行】
2011年設立。ここも大和証券の口座と紐付けられてはいるが、どちらかといえばお金に余裕のあるシニア層や富裕層が多いと目される。金利キャンペーンは、開業当時は預金を集めるために他行以上の水準だったが、いまではソニー銀行や住信SBI以下で魅力は乏しい。
むしろここの最大の特色は、自分名義の口座であれば他行あてでも振り込み手数料が何回でも無料なこと(楽天銀行と新生銀行あてを除く)だろう。他人名義の他行あてでも月3回までは無料だ。ちなみにキャッシュカードは発行していない。
【楽天銀行】
2000年設立。前身はイーバンク銀行。住信SBIや大和ネクスト同様、楽天証券と紐づいている点は投資家にはメリット。ただし、ソニー銀、住信SBI、大和ネクストに比べると預金残高では劣り、資産運用というよりも決済型銀行の色彩が強い。定期預金のキャンペーンも、妙味があるのは2週間ものや1か月ものなど短期商品が多い。
【セブン銀行&イオン銀行】
流通系でそれぞれ2001年と2006年に設立。セブン銀行はATM特化型、イオン銀行は住宅ローンなども手がけるフルバンク型。セブン銀行の場合、ATMの提携銀行からの手数料が収益の柱だが、提携銀行が引き出し手数料の無料回数を減らしたりやめたりしている余波もあって、セブン銀行のATMからお金を引き出す回数が減ってきているのが実情。
そこでそれを補うべく、海外送金サービスや、この5月7日からは、企業から個人への送金に関して、ほかの銀行を介さずセブン銀行のATMからお金が引き出せるサービスも開始した。ネット通販などの返品時の返金等に対応したものだ。
一方、セブン銀行自体は7時から19時までは引き出し手数料が無料、それ以外の時間帯は税込み108円、振り込み手数料も同216円、定期預金のキャンペーンなどもほとんどなく、はっきり言えばお金を預けて何かメリットがある銀行ではない。あくまでATMを利用するための銀行なのだ。
一方のイオン銀行は、イオン系のキャッシュカードやクレジットカード、デビットカードなどと連動したお得感を打ち出している印象で、イオン系商業施設を頻度高く利用する人でなければ、それほどメリットがあるとは思えない。