スポーツ

ガラガラ川崎球場の思い出 アベック暴走、客が七輪で焼肉等

金村義明氏が愉快なエピソードを披露

 プロ野球の歴史の中では、「人気のセ、実力のパ」といわれた時代があった。裏を返せばパ・リーグには人気がなかったという意味でもある。球場は閑古鳥が鳴き、テレビ中継はなく、パの選手は「オールスターで初めて動いている姿を見た」とまで言われたほどだ。だがそこには独特の豪快さやあたたかさがあった。悲しくも笑える「昭和のパ・リーグ」の魅力について、近鉄、中日、西武で活躍した金村義明氏が語る。

 * * *
 まず思い出すのは金銭面です。とにかくひもじかった。超一流の一部の選手を除いて、体を張る商売としてはとても割に合わない年俸でプレーしていました。まァ、どの球団も慢性的な赤字で、親会社の補填でなんとか存続していたので、仕方ない部分はあったんですけどね。

 赤字の原因の一つは、なんといっても人気のなさ。当時はどこの球場もガラガラでした。観客より球場関係者のほうが多いこともありましたね。関西の3球団も酷かったが、レベルが違ったのはロッテが本拠地にしていた川崎球場。満員になったのを見たことがありません。

 ただ川崎はその「客がいない」ことが逆に注目されて、スタンドではファンが勝手に流しそうめんや麻雀をしたり、アベックがキスしたりとやりたい放題。

 それがフジテレビの『プロ野球ニュース』の人気コーナーとして始まった「珍プレー好プレー」で取り上げられるようになると、その出演を狙うファンが無茶苦茶やり始めた。スタンドから煙が上がったのでボヤかと思ったら、七輪を持ち込んで焼肉をやりながら観戦していた、なんてこともありました(笑い)。

【プロフィール】かねむら・よしあき/1963年兵庫県生まれ。1981年報徳学園のエースとして夏の甲子園優勝。同年ドラフト1位で近鉄入団。中日、西武を経て1999年現役引退。野球解説者として活躍中。

※週刊ポスト2018年6月1日号

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン