(7)広告にタレントや有名キャラクターを使っている物件を買う
私は20年ほどマンションの広告を作ってきた。その経験上で言えることは、ウリがない物件ほど広告表現はイメージに走る。あるいは、強力なデメリットを抱えている物件ほど、そこから目を反らせるための何かを起用する。分かりやすいのはタレントやアニメキャラクター。
特に郊外型の大規模マンションでタレントやキャラクターを起用している場合はかなり要注意。「駅から遠い」とか「価格が割高」といった、大きなデメリットが潜んでいる場合がほとんどだ。
(8)オフィシャルページがよく分からない物件を買う
新築マンションの購入を検討する場合は、必ずオフィシャルページをチェックすべきだ。その作り方で売主(デベロッパー)の考え方が分かる。
例えば、最も重要な情報である「現地案内図」へのアクセスを複雑にしている物件は、客に現地を見て欲しくないのだ。「ロケーション」の項目に有用な情報が入っていない場合は、まわりには魅力ある施設がない、ということ。
逆に、売主が言いたいことは最も目立つようになっている。しかし、それがその物件の資産価値を直接高めるものかどうかは分からない。
誰でも分かることがある。それはそのオフィシャルページが見やすいかどうか。欲しい情報が分かりやすく整理されてアクセスしやすくなっているかどうか。
実のところ、それは売主の事業担当者がクレバーなのかそうでないのかを反映している。ものすごく見にくいオフィシャルページは、事業担当者が勘違いをしているかクレバーでないのかのどちらか。そういう人間が企画したマンションは要注意だ。
(9)ここ30年以内に開通した鉄道の沿線で買う
昔から繁栄している街には、きちんとした繁栄している理由がある。便利で暮らしやすいのだ。逆に、最近開発された街は昔の人が「あそこは不便だから住みたくない」と考えていたところだ。だから鉄道の路線が開通するのも遅かった。
日本の住宅は1980年代には量の面で十分に行き渡った。それ以降に開発された路線や街は、さほど必要ではないのに開発側の都合で無理矢理に出来てしまったと考えていい。だから、人口減少と少子高齢化が進むこれからの日本では、急激に不要感が強まるはずだ。首都圏なら千葉ニュータウンやつくばエクスプレスの沿線は、かなり危うい未来が待っていそうだ。
(10)商談コーナーで複数回、外国語が聞こえた物件を買う
ここ数年、東京や大阪の住宅市場では外国人のプレゼンスが目立つ。いっときの爆買いは収まったが、今でも「住むため」という実需で一定数が買われている。
彼らが日本の住宅文化の中に溶け込んでくれている限りは、何ら支障はない。問題は、彼らが管理組合の中で一定の勢力であると自覚して、自分たち流にルールを変えようとした場合だ。
東京の湾岸エリアでは、商談コーナーで聞こえてくる言語がほとんど中国語だった、という物件も見られるようになった。彼らは荒涼とした埋立地に住むことに何の躊躇もない。また、豪華設備がたくさんある派手なマンションが大好きだ。
商談コーナーで外国語が飛び交うようなマンションは、そういった将来のコミュニティリスクがあると考えるべきだろう。